お酒の判定は最高に楽しい!!
こんにちは!
前回は、酒税法のおおまかな勉強スケジュールを紹介しました。
酒税では「理論」・「お酒の判定」・「計算問題」の3本の柱を意識して勉強をしてくださいというお話をしました。覚えてますか?
前回の記事をまだ読んでない方はこちら↓
今回は3本の柱のうち「お酒の判定」について紹介していきます
おそらく酒税を学習する方はこれを一番楽しみにしているかと思われます(私は普段飲んでいるお酒がどのように定義され、作られているか興味津々でした)
また、お酒の判定は「計算問題」にも直結する最重要論点です。
お酒の判定は複雑ですが、やることはたった2つです。
それではいってみましょう!
目次
判定レジュメを駆使せよ!
お酒の判定は、大まかに直前期までにやることと直前期にやることの2つに分かれます。もちろん講義が始まる1月から血眼になって判定の細かいことまで全て覚える必要はありません。しかし、これくらいやっておけばスムーズに直前期を迎えることができる、というレベルまでには仕上げておきましょう。
※酒税法はボリュームが少なく、4月から勉強を始めても間に合うと思います。しかし、余裕を持って確実に合格レベルまで持っていくために早めの準備をおすすめします。
私が通っていたT○Cでは、↑のような判定レジュメが配られていました。
基本的に
①そのお酒になる判定の例文(ピンクマーカーで囲ってあるところ)
②そのお酒にならない判定の例文
が順番に載っています。
判定レジュメを使った具体的な学習法は、
そのお酒になる基本パターンの例文をしっかり暗記する
これのみです。
※そのお酒になるパターンをしっかり押さえれば自然にそのお酒にならない判定がわかるため、こちらの暗記は必要ないです。
ここで注意しておいてほしいのは、例文を「暗記する」ということです
お酒の判定は、白紙の解答用紙に自由に記述することができます。そして、ポイントがちゃんと抑えられていれば正解になります。しかし、例文は暗記してください。
例文を暗記するということのメリットに
・作文(文章構成)に悩まなくていい
・作文スピードが圧倒的に早い
・採点者受けが良い(これは講師談なのでなんとも言えませんが…)
ことが挙げられます。
これをやっておくだけで直前期のスタートダッシュが必ず切れます。
むしろ、これをやらずにたくさんの問題に触れると基本のパターンとそうではないものがぐちゃぐちゃになります。
この時点で多くの問題に触れる必要はありません。
判定問題をひたすら解く
さて、基本の判定が頭に入っているところで直前期になりました。
あとやることはもうひたすら問題を解くだけです。
T○Cでは、直前期に配られるテキストに800題くらい判定問題が載っています。
【直前期テキストを使った具体的な学習方法】
①2ヶ月くらいを目安に大体一日何題解くか決める
②計画に沿って解いていく(口頭で)
③間違った問題にはチェックを入れておく
④新しく知ったこと、よく間違えるところは判定レジュメに書き込んでいく
(筆者は清酒でよく”こす”の要件を忘れていたため、先ほど載せたレジュメに書き込んでいます・・・(・・;))
⑤全部終わったあと、チェックした問題をもう一度解く
ここでいちばん大事なことは、判定は口頭で解くことです。
そもそも、基本パターンは頭に入っているので、載っている問題の5~6割位はスラスラわかると思います。それを丁寧に紙に書くのは非常に時間がもったいないです。題数が多いので、1問1問丁寧に向き合っている時間はないのです。
また、ここでも先程例文を暗記したことの効果が発揮されます。
それは、解答がほぼ例文通りに書かれていることです。
これなら自分が口頭で言った答えと、載っている解答の照らし合わせがしやすく、自分の間違えている点がすぐに分かります。
判定には細かい規定があり、とても複雑なものがあります。
それは遭遇したときに、覚えるようにしてください。一気に覚えようとしても無理です。
そして、基本パターンを抑えているため、細かい規定によるちょっと変わった判定が出てきたらすぐに分かります。このようにイレギュラーなパターンをどんどん潰していってください。
イメージとしては、
「判定レジュメを前日見れば判定はバッチリ!状態まで判定レジュメを完成させる」が理想です。
やってはいけない勉強方法
私が実際にやっていた勉強方法で、試験日が近づくにつれて
うわ~~!!これ意味なかったなーー!!
と強く強く感じた勉強方法を紹介します。
それは、「間違い集」を作ることです。
私は、簿・財時代から間違えた問題については別途白紙にまとめていました。
同様に、酒税法でも答練などで間違えた判定問題は、わざわざ切り取って用紙の左側に貼り付け、右側に解答を貼り付け、余白にポイントを書いておく、という作業をしていました。
自分が間違えた問題をまとめて後で見返す勉強は割とやっている人がいるのではないかと思いますが、ことお酒の判定の勉強では絶対にやらないでください。
〈やらないほうがいい理由〉
・時間がかかる
・最終的にお酒の判定で見返すのは判定レジュメなので、見返すことがない
・そもそも間違えた論点は判定レジュメに書き込んでいるので存在意義がない
結論、時間の無駄ということですね
まとめ
いかがだったでしょうか?
お酒の判定は酒税の大黒柱といっても過言ではありません
ここができていないと計算問題も解けません(そもそも判定が間違っていたら税額計算をしても無意味)
判定ができると、普段お酒を飲むときも一味違った楽しさがあると思います。
是非、楽しんで判定問題を攻略してください。
酒税の勉強スケジュール
前回、酒税を勉強せよ!という記事を出しました。
まだ見てない方はこちら↓
今回は、大まかな勉強スケジュールをご紹介します
酒税の勉強を進めていく上で、大事なことは
「理論」・「お酒の判定」・「計算問題」
の3つの柱をいかに攻略していくかにかかっています。
この3つを完成させる、という意識を常に頭の中に置いて学習を進めてください
これからそれぞれの月ごとに
- どう勉強に向き合っていけばいいか
- 具体的なアクションプラン
を簡単に紹介していきます
それでは早速いってみましょう!
目次
※筆者はTACで講義を受けていたので、独学の方は参考にならない点が多くあるかと思われます。ご了承ください(酒税は授業料が安いので、受講されるのがおすすめです)
1・2月
酒税はボリュームが少ないので、1月から開講のケースが多いと思います。
1・2月は、「講義を中心」に進めてください
この時点で理論を頑張って覚えようとしたり、お酒の判定を血眼になって覚える必要はありません。
【具体的なアクションプラン】
・講義を見たら練習問題を解く
・講義で出てきた範囲の理論を見てみる(暗記・理解はしようとしなくてOK)
・お酒の判定について、ざっくりと理解する
3・4月
3月や4月に入ってくると、だいたいお酒の判定が出揃います。
お酒の判定について、細かい規定もたくさん出てきますが、無視して大丈夫です。
5月からは直前期に入るので、そのための準備が必要になります。
3・4月は「基本的な論点を抑える」ことに力を注いでください
【具体的なアクションプラン】
・講義を見たら練習問題を解く
・理論は、Aランクと呼ばれるものは暗記を進める
・余裕のある方は、Aランク以外について、立法趣旨の暗記と内容のざっくりとした理解
・お酒の判定は基本的なものはしっかり抑える
・お酒の判定レジュメを活用する(TACは配られるがなければ作る)
・計算問題については答練などを何回か解いておく→自分の型が見つけられたらGOOD
Aランクの一例(2020年理論マスター、講師に言われAと印をつけたところ)
・納税義務の成立
・酒類の製造免許
・未納税移出
・酒税額の控除等
・移出酒類についての申告及び納付
・納期限の延長
・納税の担保
5・6・7月
直前期は
「自分ができていないと思う知識の穴埋め」
「理論の暗記」
「計算問題のやりこみ」
が肝になってきます。
【具体的なアクションプラン】
理論
・ひたすら暗記を進める
・出題されたら全く書けない理論は作らない(欠格要件などのCランクも覚える)
・応用理論については、理論ドクターを読み込んで理論マスターの「それぞれの規定のつながり」を意識して学習を進める
酒の判定
・直前期テキストに、800題くらい判定の問題が載っているのでそれをひたすら「口頭で」解く
・間違えた問題にはチェックを付けておく→2周めはこれのみ解いていきます
・問題を解いていて得た、新しい知識は、判定レジュメに書き加えていく
・総合問題を解くときは、「記述」してください
計算問題
・答練などを解く
・余裕があれば市販の問題集を一日1題解く
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は勉強開始から試験まで、ざっくりとしたスケジュールを紹介しました。
勉強スケジュールに正解はありませんから、自分に合うスタイルを勉強を進めていく中で探すようにしてみてください。
今回紹介した進め方がその参考になれば幸いです。
今後、「理論」・「お酒の判定」・「計算問題」の3つの柱について、より詳細に学習の仕方を書いた記事を紹介していく予定です。
楽しみにお待ち下さい
税理士受験生に捧げる、「酒税法」を受験せよ!
税理士を目指す方は、会計2科目と税法3科目に合格しなければなりません。
税法を受験する際、多くの方は実務でよく使用される法人税法や消費税法、所得税法などを第一に検討されることでしょう。
この記事で一つだけあなたに伝えたいことは、
酒税法を受験してみてはどうだろうか
ということです。
あなたが酒税法も考えてみようかな、と思ってくれれば幸いです。
それでは早速いってみましょう!!
目次
税理士受験の「目的」を見失わない
あなたはどういう気持ちで受験勉強を始めたのでしょうか?
勉強したことを実務に役立てたいから!という方はこの記事を閉じて法人税の勉強をすることをおすすめします。
多くの方は「税理士になる」という想いから受験を始めたはずです。
いわば合格すればいいのです。
法人税や所得税に比べたら、酒税のボリュームは圧倒的に少ないです。
※主要な科目との比較は詳しく後述します
実務で使えるかどうかで科目を選ぶのにこだわる必要はありません。
自分が勉強していて楽しいかどうかで科目を選ぶと勉強がグッと楽になります。
(筆者は酒税か固定資産税か悩みましたが、お酒が好きだからと言う理由のみで酒税にしました)
酒税法を選ぶメリット
酒税法のメリットは「圧倒的にボリュームが少ない」ことです。
主要な科目である所得税と比較してみましょう。
テキストは所得税法が8冊ありますが、酒税法は2冊。計算のボリュームだけで約4倍も差があることがわかります。
あれ、理論マスター意外と分厚いな.....と思った方。気が早いです。
実は酒税法の理論マスターの約2/3ほどは過去問題集のページになっています。
実際の理論題数は
所得税・・・76題(2019年理論マスター)
酒税法・・・22題(2020年理論マスター)
と、3倍以上の差があることがわかります。
ここで一つ、知っておいてほしいことは
税法に受かりやすい科目なんてない
ということです。
「酒税法は受験生のレベルが高く、みんな理論マスターを完璧にしてくるから満点勝負だ」と言われる方がいらっしゃいますが、それは他の税法でも同じです。どの税法もほとんどの受験生が会計科目を突破した猛者たちです。また、基本論点を落としてはいけないのも全科目共通です。
※近年、酒税法の問題が簡単であったことから満点勝負と言われるようになったかもしれません。
受かりやすい科目がない以上、勉強ボリュームが少ないということは科目選択の最有力事由になりうると思います。
酒税法を選ぶデメリット
酒税法を選ぶデメリットはただひとつ。
実務との関わりが軽薄なこと、それだけです。
しかしこれについては前述したとおりなので気にすることはないと思います。
実際の勉強量は?
酒税法は、ボリュームが少ない科目なので1月から開講というケースがメインになると思います。
一応年内に講義があるコースもあるみたいですが、酒税法は1月から勉強を始め、1日2時間勉強すればかなり余裕があると考えてもいいです。
私は直前期はやることがなくなったので市販の問題集を買って解いていました。
詳しい勉強方法はまた別の記事で細かく話していきます。
大学院への道が開ける
会計2科目合格者と、会計2科目+税法1科目合格者では大きな壁があります。
それは大学院という選択ができることです。
現行の制度では、会計2科目と税法1科目(どの税法でも可)を所持していれば、大学院で執筆した論文を国税庁に提出することで税法2科目免除できるという非常にありがたい制度があります。※その他細かい要件については割愛
官報を目指すにしても、大学院ルートをいつでも選択できるという余裕が生まれるため是が非でも税法1科目は取得しておきたいです。
その1科目を、「酒税法」で検討してみてはいかがでしょうか
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事で酒税受験を考えてくれるきっかけになれば嬉しいです。
酒税法はたしかにマイナーな科目で、勉強しているとなんで酒税?
と必ず言われます。
無視してください。
税理士になったもの勝ちです。